楽天シンフォニーがシンガポールで快挙!AI×Open RANの成功

2025年10月2日、シンガポールで開催されたFutureNet Asia 2025は、楽天シンフォニーにとって記念すべきイベントとなりました。業界からの高い評価を獲得しただけでなく、世界中の通信事業者との未来志向の対話を推進し、革新的な技術を披露する絶好の機会となったのです。楽天シンフォニーのリーダーシップチームが中心となり、業界が直面する最も重要な課題について有意義な議論を展開しました。FutureNet Asia 2025におけるハイライトをご紹介します。

楽天シンフォニーとは
楽天シンフォニーは、楽天モバイルの技術部門から派生した独立企業です。楽天モバイルが自社のネットワーク構築で培った完全仮想化されたクラウドネイティブ技術やゼロタッチ運用のノウハウを商品化し、世界中の通信事業者や企業にソフトウェアソリューション(Rakuten Cloud、OSS、通信向けAIなど)として販売・提供しています。楽天モバイルは、この革新的な技術の成功事例という位置づけであり、これがグローバル展開の強みとなっています。

業界から認められた革新的な技術力
イベントの最大のハイライトの一つは、Rakuten Cloud-Native Orchestratorソフトウェアが「Orchestrator Award(オーケストレーター賞)」を受賞したことです。この栄誉ある賞は、楽天シンフォニーの技術力が業界から高く評価されていることを証明するものとなりました。このソリューションは、顧客企業がエッジからコアまでシームレスなスケーリングを実現し、ハイパーオートメーション、デイ1/2のライフサイクル管理、そしてワンクリックでのアプリケーションオンボーディングを可能にします。つまり、複雑なネットワーク運用を劇的に簡素化し、効率化できる画期的なソリューションなのです。受賞式では、楽天シンフォニーのVivek Chadha氏が代表として賞を受け取りました。この受賞は、同社が提供する技術が単なる理論ではなく、実際に業界をリードする実用的なソリューションであることを示しています。

5GとAIデータの収益化
楽天シンフォニーのプレジデントであるSharad Sriwastawa氏は、AvidThinkのRoy Chua氏とのファイアサイドチャットに登壇しました。この対談では、通信事業者が5GとAIデータを収益化することで、どのように新たな収益源を開拓できるかについて深く掘り下げました。データは現代のビジネスにおける「新しい石油」と呼ばれていますが、通信事業者はこの膨大なデータ資産を十分に活用できていないのが現状です。Sriwastawa氏は、適切な戦略とテクノロジーを組み合わせることで、通信事業者が保有するデータを価値ある収益源に変えられることを強調しました。

AI時代における未来の通信事業者
OSSビジネスユニットのプレジデントであるVivek Murthy氏は、Singtel、Axiata、True Corpといった大手通信事業者と共にパネルディスカッションに参加し、「AI時代における未来の通信事業者」について議論しました。さらに、Murthy氏はAI時代における通信事業者の未来について自身の見解をまとめた洞察に満ちた記事も執筆しました。AIが通信業界全体を変革する中で、事業者がどのように対応し、競争力を維持していくべきかについての貴重な視点を提供しています。

データ駆動型AIの次の10年
楽天モバイルのチーフデータ&AIオフィサーであるSachin Verma氏は、BT、Dialog Axiata、ABI Research、Comarchのリーダーたちと共に、データ駆動型AIが今後10年間の通信業界をどのように形作っていくかについて語りました。AIテクノロジーは日々進化していますが、その真の価値は質の高いデータと組み合わせることで初めて発揮されます。Verma氏は、通信事業者が保有する豊富なデータをAIと統合することで、顧客体験の向上、運用効率の改善、そして新しいビジネスモデルの創出が可能になることを示しました。

インテリジェント・グロースシリーズ:持続可能な成長への道筋
楽天シンフォニーは、Network Media Groupと共同で「インテリジェント・グロース」フレームワークを具体化する一連のディスカッションを開催しました。これは、今回のイベントで最も注目を集めたセッションの一つとなりました。このシリーズには、Singtel、Axiata、Telstra、Vodafone、StarHub、Telenor、NTT Docomoといった業界トップの通信事業者の幹部が参加しました。楽天シンフォニーのリーダーたちと共に、通信事業者がイノベーションをビジネスの基本原則と整合させ、持続可能な成長を達成する方法について深く掘り下げました。インテリジェント・グロースとは、単なる技術革新ではありません。それは、効率性、収益性、そして長期的な競争力を実現するための包括的なアプローチです。各セッションでは、実際のユースケースや成功事例を交えながら、このフレームワークがどのように現実世界で機能するかが示されました。これらの議論は非常に示唆に富んでおり、通信業界の未来を考える上で貴重な洞察を提供しています。

エンドツーエンドのAIネイティブソリューション
イベント全体を通じて、楽天シンフォニーはOpen RANからクラウド、OSSに至るまで、エンドツーエンドのAIネイティブソリューションを提供する技術とパートナーシップに焦点を当てました。これらのデモンストレーションは、楽天シンフォニーが通信事業者にインテリジェント・グロースを実装する手段を提供し、効率性、収益性、そして長期的な競争力を実現する支援をどのように行っているかを明確に示しました。AIネイティブというアプローチは、後付けでAIを追加するのではなく、設計段階からAIを組み込むことを意味します。これにより、ネットワークの自動化、予測保守、リソース最適化などが本質的なレベルで実現され、より高い効果を発揮します。

Open RANイノベーションの推進:バングラデシュでの画期的なパイロットプロジェクト
イベントにおける最も重要な発表の一つは、楽天シンフォニーとTelenor Groupの一員であるGrameenphoneが、バングラデシュでOpen RANのパイロット展開を開始したことです。このプロジェクトは、Grameenphoneの8,600万人もの顧客にサービスを提供するものであり、同国における通信インフラの大きな転換点となります。導入されるシステムには、CU/DUインフラ、4G/5G無線ユニット、そしてOSSソリューションが含まれています。この取り組みにより、Grameenphoneは自国市場においてOpen RANのパイオニアとなり、ネットワークイノベーションの新たなレベルを実現することが可能になります。Open RANは、より柔軟で費用対効果の高いネットワーク構築を可能にし、ベンダーロックインから解放されることで、通信事業者に真の選択の自由をもたらします。

バングラデシュのような新興市場でのこの展開は、Open RANテクノロジーが世界中のあらゆる市場で実用的であることを証明する重要な事例となります。

まとめ:次世代ネットワークへの道
FutureNet Asia 2025は、楽天シンフォニーが単に技術を進歩させるだけでなく、通信事業者と協力してインテリジェント・グロースの恩恵を受ける次世代ネットワークを構築していることを明確に示しました。受賞から始まり、業界リーダーとの深い対話、そして実際のパイロットプロジェクトの発表まで、イベント全体が楽天シンフォニーの包括的なビジョンと実行力を物語っています。通信業界は今、大きな変革の時を迎えています。5G、AI、Open RANといった技術は、単なる流行語ではなく、業界の未来を形作る具体的な要素です。楽天シンフォニーは、これらの技術を統合し、通信事業者が持続可能で収益性の高い成長を実現できるよう支援しています。


FutureNet Asia 2025: Top 5 highlights in AI, Open RAN, and Intelligent Growth
FutureNet Asia 2025: AI、Open RAN、インテリジェント・グロースの主要5大ハイライト
https://symphony.rakuten.com/blog/futurenet-asia-2025-top-5-highlights-in-ai-open-ran-and-intelligent-growth