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「短編小説」の記事一覧

短編小説「埋立地の星屑」 3(全6回)
第三章「星屑と運河」 騒がしさに引き寄せられたのか、もう1人、ふらりと公園に現れた男がいた。入口に停まっていたタクシーから現れたのは、50手前あたりの小太りの男。…
短編小説「埋立地の星屑 」2(全6回)
第二章「古井戸の激昂」 老人は、明らかに数日、いやもしかしたら数週間風呂にも入っていないのだろう。油分を含んだ白髪は数束に分かれてボサボサと広い肩にかかり、着古…
短編小説「埋立地の星屑 」1(全6回)
第一章「深夜、話しかけた」 23時を過ぎていた。窓から漏れる月明かりが天井にかすかな影を落としている中、彼は何度も寝返りを打っていたが、頭の中は冴えわたったままだ…
短編小説「東京影タンゴ倶楽部」5(全5回)
短編小説「東京影タンゴ倶楽部」5(全5回) 第5章「あーあ。影の民に戻りたい。あの時はミステリアスで、少し影のある透明感のある肌を持った美少女だったのに。現実に戻…
短編小説「東京影タンゴ倶楽部」 4(全5回)
短編小説「東京影タンゴ倶楽部」 4(全5回) 第4章ダンスホールが暗闇に包まれて、フッと照明がつくと、そこは巨大な劇場。シャンデリアが放つ幻想的な光が、天井から滝の…
短編小説「東京影タンゴ倶楽部」3(全5回)
短編小説「東京影タンゴ倶楽部」3(全5回) 第3章13階のダンスホールは活気に満ちていた。「リズムを感じて!」教授は影の民たちに指示を出した。「ワンツースリー!ワン…
短編小説「東京影タンゴ倶楽部」2(全5回)
短編小説「東京影タンゴ倶楽部」2(全5回) 第2章涼子とモヤちゃん。この2人組は教授の白骨化した研究人生に唐突に現れた、ピンクの蛍光ペンみたいな存在だった。研究費は…
短編小説「東京影タンゴ倶楽部」 1(全5回)
(短編小説)東京影タンゴ倶楽部 1(全5回) 第1章御茶ノ水のおしゃれなカフェの窓際に3人の男女が座っている。1人はボブの白いワンピースを着た、日に焼けて快活なモヤち…
短編小説「机とイス」
机とイス 厚い雲に覆われて、陽の射しこむ余地のない空の下。荒れ果てた広い国で、固形物のような、しっかりと、じっくりと、ネットリと、ゆったりと流れている暗い川のそ…
短編小説「桜の精」
桜の精(短編小説) 暗闇に桜が満開である。桜の木の下で2人の男が座っている。桜井は老人で、浴衣を着ている。木造は50くらいの中年で、公園に住みつきそうな格好をし…
短編小説「深夜、コピー機で、自分を」
深夜、コピー機で、自分を(短編小説) 朝の光がまだ窓辺に届かぬ頃、橘悠真はアラームの音で目を覚ました。いつものように無言でそれを止め、いつものように布団をたたみ…
(短編小説)タイタンの存在者 9(最終回)
(短編小説)タイタンの存在者 9(最終回) 9.私はどこへ行くのだろうか私はどこへ行くのだろうか。暗い、冷たい。どこまでも落ちていく落ちていく・・・。今までの現実…
(短編小説)タイタンの存在者 8(全9回)
(短編小説)タイタンの存在者 8(全9回) 8.バイクは高速宙路を走るバイクは高速宙路を走る。中心街を見ると、本当に城が崩れていた。中心街は恐慌をきたしていた。逃…
短編小説「タイタンの存在者」7(全9回)
短編小説「タイタンの存在者」7(全9回) 7.フフフ・・・やっと連絡が取れたね『フフフ・・・やっと連絡が取れたね・・・。私はクロフツだ。地球にいる本人だ。君が聞き…
短編小説「タイタンの存在者」6(全9回)
短編小説「タイタンの存在者」 6(全9回) 6.君の話を聞かせてもらったが「君の話を聞かせてもらったが、私がなぜ王に従わないのか説明してくれないか」「おまえは宇宙…
短編小説「タイタンの存在者」5(全9回)
短編小説「タイタンの存在者」 5(全9回) 5.「神はいると思うか?」「神はいると思うか?」デカルトの突然の一言に、一瞬ミロはたじろいだが、すぐに首を横に振った。…
短編小説「タイタンの存在者」 4(全9回)
短編小説「タイタンの存在者」 4(全9回) 4.城を出て高速道路を城を出て高速道路を最新式の自動車で走る。最新式?50年前に、車両の道路での使用は禁止されたはずだ…
短編小説「タイタンの存在者」 3(全9回)
短編小説「タイタンの存在者」 3(全9回) 3.城を出て中心街を歩く城を出て中心街を歩く。街道はいつもどおりで、百年前にあった小川はもうない。いくらかホッとした。…
短編小説「タイタンの存在者」2(全9回)
短編小説「タイタンの存在者」2(全9回) 2.土星の輪の中に土星の輪の中に光り輝く衛星がある。人類の技術の結晶体、宇宙の開拓地と人は呼ぶ。タイタン!城を離れて小川…
短編小説「タイタンの存在者」第1話(全9話)
短編小説「タイタンの存在者」第1話(全9話) 1.雪が降りはじめた雪が降りはじめた。ここレニンヨークに冬が来ようとしていた。この都市の冬は特に冷える。議事堂関係処…