
楽天モバイルの躍進の一年:2025年を彩った9つのマイルストーン
2025年は、楽天モバイルにとって画期的な一年となりました。衛星を使ったビデオ通話からポケットに入るAIアシスタントまで、日本の携帯キャリアとして新たな地平を切り開いた年だったと言えるでしょう。
サービス開始から5年を迎えた楽天モバイルは、着実な成長を続け、契約者数1,000万人を達成しました。同時に、最新技術の導入と顧客満足度の両面でリーダーシップを発揮しています。
ここでは、楽天モバイルがどれほど進化を遂げたかを示す、2025年の9つの注目すべき出来事をご紹介します。
1. 災害に強いモバイルネットワークの構築
日本では、災害時の通信確保がいかに重要かが広く認識されています。2025年、楽天モバイルはその接続性を確実なものにするため、大きな一歩を踏み出しました。
1月には、東京の南に位置する神奈川県で、日本の主要キャリアが集結し、携帯基地局への緊急給油インフラをテストする全国規模の訓練が実施されました。3月には、日本西部の長崎で、ケーブル敷設船上での災害復旧訓練に参加しています。
その数か月後、キャリア各社は再び協力し、避難所へのネットワークサービス提供を改善し、重複作業を減らすための新しい情報共有システムを立ち上げました。これにより、支援が届かない地域をなくすことを目指しています。
確かな協力体制を通じて、楽天モバイルは日本の必須無線インフラの新たな柱として存在感を高めています。
2. あらゆる規模の企業向け生成AI
1月には、「Rakuten AI for Business」のサービス開始も話題となりました。大企業から中小企業まで、あらゆる規模の企業が最新のAI技術を活用できるよう設計された、実用的な生成AIプラットフォームです。
ブラウザベースで使いやすく、日本のビジネスに最適化されたこのツールは、文書作成、翻訳、社内データ分析などをサポートします。機密データを保護するセーフガードも組み込まれています。
このプラットフォームは、楽天グループが営業、業務、マーケティングで高度なAIツールを活用してきた実践的なノウハウを活かし、企業がすぐに使い始められる既製テンプレートを提供しています。
目標は、あらゆる規模の企業がAIを利用できるようにし、手頃な価格で新たな可能性を引き出すことです。
3. 在日外国人に選ばれるキャリアに
2025年春、全国調査により、楽天モバイルが日本在住の外国人利用者に最も選ばれているキャリアであることが明らかになりました。手頃な料金、データ無制限、多言語対応がすべて重要な要素となっており、店舗では英語、中国語、ネパール語などでのサポートに加え、AI翻訳機や簡素化された書類も用意されています。
調査によると、口コミがこの傾向に大きな役割を果たしており、利用者が友人に楽天モバイルを勧めているケースが多いことがわかりました。現在、店舗での契約の4件に1件は日本人以外の顧客からのものとなっています。
4. 宇宙からのビデオ通話
春には、衛星通信接続における大きなマイルストーンも達成されました。
AST SpaceMobileとの長期パートナーシップを継続し、楽天モバイルは低軌道衛星と通常の未改造の携帯電話を使用した日本初のビデオ通話を成功させました。
信号は福島の楽天モバイル地上局から衛星を経由し、東京へと中継されました。これは、楽天の今後のサービス「Rakuten最強サテライト」が、山岳地帯、離島、被災地のカバレッジギャップをどのように埋めることができるかを示すデモンストレーションでした。
2026年後半の本格展開を予定しており、楽天モバイルは接続性をこれまで届かなかった場所へと拡大しています。
5. スマートなインフラでエネルギー使用量を大幅削減
全国規模のモバイルネットワークの運営には、特に無線アクセスネットワーク(RAN)、ユーザーのデバイスを無線接続する物理的な基地局とアンテナ、において、多大なエネルギーが必要です。
5月、楽天モバイルはRakuten Symphonyとの協力により開発された、AIを活用した新しいプラットフォーム「RIC(RAN Intelligent Controller)」を展開しました。RICは機械学習を使用してネットワークトラフィックを予測し、需要が低い時間帯に基地局を自動的に電源オフにします。
このプラットフォームにより、エネルギー消費を最大20%削減できる可能性があります。これは大規模なモバイルネットワークにおいて非常に大きな削減効果です。楽天モバイルは、Open RANネットワークでこの技術を大規模に導入した最初のオペレーターの一つとなり、パフォーマンスを損なうことなく、よりグリーンで効率的な通信インフラを実現しました。
6. Rakuten Linkで全員にAIを
7月には、通信アプリ「Rakuten Link」に組み込まれた強力なツール「Rakuten AI」が登場しました。
すべての楽天モバイルユーザーがLinkアプリを通じて無料で利用できるRakuten AIは、素早い検索から楽天エコシステム全体でのパーソナライズされたプロンプトまで、あらゆることに対応できるスマートな相棒です。このアシスタントは、日本語の文脈を深く理解し、即座に結果と便利なフォローアップを提供します。
これは、AIが単に質問に答えるだけでなく、実際にアクションを起こす楽天のエージェンティックエコシステムにおける第一歩です。楽天市場やその他のサービスへの展開が計画されており、Rakuten AIは楽天エコシステムと統合された重要なゲートウェイとして位置づけられています。
7. U-NEXTとのコラボで無制限のデータと無制限のエンターテインメント
夏には、楽天モバイルがまた新たなエキサイティングなパートナーシップを発表しました。今回は日本最大級のストリーミングプラットフォームの一つ、U-NEXTとの提携です。10月に開始された「Rakuten最強U-NEXTプラン」は、データ無制限とストリーミング見放題を一つの簡単なパッケージで提供します。
このプランでは、月額3,880円(税込4,268円)で、映画、ドラマ、音楽、さらには国際スポーツリーグまで、日本最大級のオンラインライブラリへのフルアクセスが可能です。最大4人のユーザーが追加料金なしでアカウントを共有できます。
8. 3年連続で日本のお気に入りキャリアに
楽天モバイルは2025年を大きな勝利で締めくくりました。ORICON顧客満足度調査で3年連続のトップランキングを獲得し、9つのカテゴリーのうち8つで日本の主要キャリアを上回りました。
顧客は、楽天モバイルの申し込みのしやすさ、手頃な料金、充実したサポート、プロモーション、端末の品揃えを高く評価しています。家族向けやシニア向けに特化した新プランにより、サービスはさらに利用しやすくなり、U-NEXTとのパートナーシップなどにより、さらに具体的な価値が加わりました。
9. 契約者数1,000万人突破
2025年が終わりに近づく中、楽天モバイルは12月25日に携帯電話契約者数1,000万人を突破しました。サービス開始からわずか5年8か月で達成されたこのマイルストーンは、手頃で利用しやすいモバイルサービスへの楽天の取り組みが、日本全国の顧客に深く響いていることを示しています。
2026年を迎えるにあたり、楽天モバイルは勢いを落とす兆しを見せず、日本のお気に入りキャリアとしての成功を基盤に、さらなる成長を続けています。

私見と考察:楽天モバイルの躍進から見える通信業界の未来
2025年の楽天モバイルの動向を見ると、単なる「新規参入キャリアの成長」を超えた、日本の通信業界全体の構造変化が見えてきます。
衛星通信:通信インフラの根本的転換
低軌道衛星を使った通常のスマートフォンでのビデオ通話成功は、通信業界における真の技術革命です。
従来、日本の携帯電話網の最大の弱点は「つながらない場所」の存在でした。国土の7割が山地であり、6,800以上の島々を抱える日本では、基地局の設置に莫大なコストがかかります。特に過疎地域では、投資回収が見込めないため、カバレッジの拡大には限界がありました。
楽天モバイルの衛星通信は、この構造的な問題を根本から解決する可能性を秘めています。改造なしの普通のスマートフォンで衛星通信が使えるという点が革命的です。これまでの衛星電話は特殊な端末が必要で、一般ユーザーには縁遠い存在でした。
2026年後半の本格展開により、山間部の登山者、離島住民、漁業関係者など、これまで「圏外」に悩まされてきた人々が恩恵を受けます。さらに重要なのは災害時の活用です。東日本大震災では地上インフラが広範囲に損壊し、通信途絶が救助活動の大きな障害となりました。衛星通信が普及すれば、このような事態を回避できます。
グローバルに見ると、SpaceXのStarlinkやAmazonのProject Kuiperなど、衛星通信市場は急拡大しています。楽天モバイルは、携帯電話ネットワークと衛星通信のシームレスな統合という、次世代通信インフラの先駆者となりつつあります。
この技術は、日本だけでなく、途上国や紛争地域など、地上インフラの整備が困難な地域でも応用可能です。楽天モバイルとAST SpaceMobileのパートナーシップが成功すれば、グローバル市場への展開も視野に入ってきます。
AIエコシステム:通信キャリアの存在意義の再定義
Rakuten AIとRakuten AI for Businessの展開は、通信キャリアのビジネスモデルが根本的に変わりつつあることを示しています。
従来、通信キャリアは「土管」と呼ばれてきました。つまり、データを流すだけのインフラ提供者であり、その上で動くアプリやコンテンツこそが価値を生むという構図です。しかし、この構造では通信キャリアは価格競争に陥りやすく、収益性の向上が困難でした。
楽天モバイルは、AIを通信サービスと深く統合することで、新たな価値創造を目指しています。Rakuten Linkに組み込まれた無料AIアシスタントは、単なる便利ツールではありません。楽天市場、楽天トラベル、楽天カードなど、70以上のサービスを持つ楽天エコシステムの「統合インターフェース」となる可能性を秘めています。
特に注目すべきは「エージェンティックエコシステム」という概念です。AIが単に情報を提供するだけでなく、ユーザーに代わって実際に行動を起こす。例えば「週末の温泉旅行を予約して」と言えば、AIが楽天トラベルで検索し、予算や好みに合った宿を予約し、楽天ペイで決済するという一連の流れを自動化できる未来です。
一方、Rakuten AI for Businessは、中小企業のDX支援という巨大市場を狙っています。日本企業の99%以上が中小企業ですが、多くがAI導入のハードルに直面しています。技術的複雑さ、コスト、人材不足などの課題を、楽天モバイルはブラウザベースの簡単な操作とテンプレート提供で解決しようとしています。
これは通信キャリアが「接続の提供者」から「AIを活用したビジネス変革のパートナー」へと進化することを意味します。楽天グループが営業、業務、マーケティングで培ったAI活用の実践知を外部に提供することで、他のキャリアには真似できない差別化を実現しています。
Amazon、Google、Appleなど、グローバルテック企業は全て独自のAIアシスタントを持ち、それをエコシステムの中核に据えています。楽天モバイルも同じ道を歩もうとしているのです。
1,000万契約突破の意味
2025年12月25日の1,000万契約達成は、数字以上の戦略的意義を持ちます。
まず、ネットワーク効果が本格的に作動し始める臨界点に達したということです。通信業界では、利用者が増えるほど基地局投資の効率が上がり、サービス品質が向上し、さらに利用者が増えるという好循環が生まれます。1,000万という規模は、この好循環が自律的に回り始める転換点です。
日本の携帯電話市場は約2億契約があり、楽天モバイルは5%のシェアを獲得しました。サービス開始から5年8か月での達成は、業界史上でも類を見ない急成長です。ドコモ、au、ソフトバンクという既存の強固な寡占体制に風穴を開けたことの意義は大きいでしょう。
収益面でも重要です。楽天モバイルは長年赤字が続いていましたが、2024年にモバイル事業単体で営業黒字を達成したと報じられています。1,000万契約は、この黒字化を確実なものにし、さらなる投資余力を生む基盤となります。
また、既存キャリアとの競争関係が対等になったことも意味します。災害対応の共同訓練に参加したことは象徴的です。わずか5年前は「新参者」だった楽天モバイルが、今や国家的重要性を持つ通信インフラの一翼を担う存在として認められています。
ORICON調査で3年連続顧客満足度1位という実績も、単なる「格安キャリア」から「品質で選ばれるキャリア」への進化を示しています。価格だけでなく、サービス品質、申し込みの簡便さ、サポート体制など、総合的な顧客体験で既存大手を上回ったのです。
さらに、在日外国人に最も選ばれているキャリアになったという事実は、日本の人口減少社会における成長戦略のモデルケースとも言えます。口コミによる契約拡大は、広告費を抑えながら質の高い顧客を獲得できる理想的な成長パターンです。
総合考察:3つの変革が示す未来
これら3つの重要ポイントに共通するのは通信業界の境界線が曖昧になりつつあるということです。
衛星通信は、地上と宇宙の境界を消し去ります。AIエコシステムは、通信とアプリケーション・サービスの境界を溶かします。1,000万契約の達成は、新興企業と既存大手の境界を無効化します。
楽天モバイルは、単なる「第4のキャリア」ではなく通信業界の未来を定義する存在になろうとしています。従来の発想にとらわれず、技術革新、顧客中心主義、エコシステム戦略を組み合わせることで、新しいビジネスモデルを構築しています。
2026年以降、衛星サービスの本格展開、AIのさらなる進化、そして6Gへの取り組みが控えています。日本の通信業界は、20年以上続いた3社寡占体制から、真の競争時代へと移行しつつあるのです。
楽天モバイルの成功は、既存の秩序に挑戦する企業にとって、技術革新と顧客価値の追求こそが成長の鍵であることを示す、説得力のある事例となっています。
A big year for Rakuten Mobile: Nine major milestones
https://rakuten.today/blog/a-big-year-for-rakuten-mobile-nine-major-milestones.html
