
楽天モバイルがIT賞!AI活用したカスタマーサポート
革新的なAIサポートサービスが業界から認められる
2025年12月8日、楽天グループ株式会社と楽天モバイル株式会社が、公益社団法人企業情報化協会(IT協会)が主催する2025年度(第43回)IT賞において、「IT賞(顧客価値・サービス革新)」を受賞したことが発表されました。この受賞は、生成AIを活用したチャット形式のサポートサービス「楽天モバイルAIアシスタント2.0」の取り組みが高く評価されたものです。IT業界における優れた革新的な取り組みとして、その価値が認められた形となりました。
IT賞とは何か
IT賞は、国内の産業界や行政機関などの業務において、ITを高度に活用したビジネス革新に顕著な成果を挙げた企業、団体、機関、個人に対して授与される権威ある賞です。事業創造、効果的なビジネスモデルの構築・促進、生産性向上など、ITによる革新的な取り組みが評価の対象となります。今回で第43回を迎えるこの賞は、日本のIT活用における優秀事例を表彰し、産業界全体のIT利活用促進に貢献してきた歴史ある表彰制度です。
「楽天モバイルAIアシスタント2.0」の特徴
受賞対象となった「楽天モバイルAIアシスタント2.0」は、最新の生成AI技術を活用したチャット形式のカスタマーサポートサービスです。従来の定型的な自動応答システムとは異なり、ユーザーの質問や相談に対して、より自然で柔軟な対応を実現しています。生成AIの導入により、複雑な問い合わせにも適切に対応できる体制が整い、顧客満足度の向上とサポート業務の効率化を同時に達成していることが、今回の受賞につながったと考えられます。
個人情報保護を実現する独自のガードレール技術
楽天モバイルAIアシスタント2.0の大きな特徴の一つが、「生成AIガードレール(保護装置)」という独自の技術です。この技術により、ユーザーの個人情報を適切に保護しながら、AIによるサポートサービスを提供することが可能になりました。この情報処理システムに関する技術は特許を取得しており(特許情報プラットフォーム: https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2023-186945/10/ja)、楽天グループの技術力の高さを示すものとなっています。生成AIの活用が広がる中で、個人情報保護は極めて重要な課題です。楽天モバイルは独自の保護機構を開発することで、この課題を解決し、安心して利用できるサービスを実現しました。
膨大なアノテーション作業による精度向上
AIアシスタントの品質を支えているのが、6カ月間で5,000件以上という膨大な規模のアノテーション作業です。アノテーション作業とは、AIが生成した回答の正確性を人間が判定し、学習用データを作成する作業を指します。具体的には、実際にユーザーから入力された質問、回答生成のために検索されたページ、そしてAIが生成した応答を、専門のアノテータ(評価者)が一つひとつ確認し、正誤を判定していきました。この地道な作業の積み重ねにより、AIの回答精度は着実に向上していったのです。
ハルシネーション対策の重要性
生成AIの課題として広く知られているのが「ハルシネーション(誤情報生成)」です。これは、AIが事実とは異なる情報を、もっともらしく生成してしまう現象を指します。カスタマーサポートという信頼性が求められる用途において、ハルシネーションは決して許されない問題です。楽天モバイルは、この課題に真摯に向き合い、大規模なアノテーション作業を通じてハルシネーションの防止に努めました。5,000件以上という作業量は、単なる数字以上の意味を持ちます。それは、一般ユーザー向けサービスとして提供するために必要な品質水準への、強いこだわりの表れといえるでしょう。

実運用に耐える品質への到達
6カ月間という期間と5,000件以上という作業量は、AIアシスタントを実用レベルまで引き上げるための投資といえます。多くの企業が生成AIの導入を検討する中、実際に一般ユーザー向けサービスとして提供できるレベルに到達するには、このような地道な取り組みが不可欠です。楽天モバイルは、技術的な先進性だけでなく、実用化に向けた綿密な品質管理プロセスを確立したことで、業界をリードする存在となりました。
顧客価値とサービス革新の実現
「IT賞(顧客価値・サービス革新)」という受賞カテゴリーが示すように、今回の取り組みは単なる技術導入にとどまらず、実際の顧客体験の向上とサービスの革新を実現した点が評価されています。AIアシスタントの活用により、ユーザーは24時間いつでも気軽に質問できる環境が整い、待ち時間の短縮や問題解決のスピード向上が図られました。さらに、個人情報保護とハルシネーション対策という、実用化における重要な課題をクリアしたことで、信頼性の高いサービスとして提供できるようになったのです。
楽天グループのAI活用戦略
今回の受賞は、楽天グループ全体が推進するAI活用戦略の成果の一つともいえます。同社は「Rakuten AI」として、グループ全体でAI技術の開発と活用を積極的に進めており、モバイル事業におけるカスタマーサポートはその具体的な応用例となっています。特に注目すべきは、単に既存の生成AI技術を導入するのではなく、独自のガードレール技術の開発や、大規模なアノテーション作業による品質向上など、実用化に向けた独自の取り組みを展開している点です。これらの経験とノウハウは、今後グループ内の他のサービスにも応用されていくことでしょう。
今後の展開に期待
IT協会からの表彰を受けたことで、楽天モバイルのAIアシスタントサービスは、業界における先進事例としての地位を確立しました。今後は、このサービスのさらなる進化や、他のサービス領域への展開も期待されます。特許を取得した個人情報保護技術や、膨大なアノテーション作業を通じて蓄積されたノウハウは、楽天グループの貴重な資産となります。これらを活かして、より多くの場面でユーザーに価値を提供できるサービスが展開されていくことでしょう。生成AIの技術は日々進化を続けており、より精度の高い応答や、パーソナライズされた対応など、サービスの質をさらに高める余地は十分にあります。楽天グループがどのようにこの技術を発展させていくのか、今後の動向が注目されます。
まとめ
楽天モバイルの「AIアシスタント2.0」のIT賞受賞は、日本企業による先進的なAI活用の成功事例として大きな意義を持ちます。顧客サポートという身近なサービスに最新技術を適用し、実際の顧客価値向上につなげた取り組みは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する多くの企業にとって示唆に富む事例となるでしょう。特に注目すべきは、個人情報保護という重要な課題に対して特許技術で対応し、6カ月間で5,000件以上という大規模なアノテーション作業によってハルシネーションを防止するなど、実用化に向けた徹底した品質管理を行った点です。これらの取り組みは、生成AIを実際のサービスに組み込む際の模範となる事例といえます。今後も、こうした革新的な取り組みが業界全体に広がり、より便利で質の高い、そして安全なサービスが提供されることが期待されます。
楽天、公益社団法人企業情報化協会より、2025 年度(第 43 回)「IT 賞(顧客価値・サービス革新)」を受賞
– 生成AIを活用したチャット形式のサポートサービス 「楽天モバイルAIアシスタント2.0」の取り組みが評価 –
https://corp.rakuten.co.jp/news/update/2025/1208_01.html
| 楽天グループ株式会社corp.rakuten.co.jp
