楽天モバイルが契約数1,000万回線を突破、5年8カ月で達成した大きな節目

2025年12月25日、楽天モバイル株式会社は契約数が1,000万回線を突破したことを発表しました。2020年4月のサービス本格開始から約5年8カ月での達成となり、日本の携帯キャリア市場において新たなマイルストーンを迎えたことになります。

1,000万回線突破の背景
楽天モバイルは2018年1月の設立以来「携帯市場の民主化」を掲げて既存の大手キャリアとは異なるアプローチで市場に参入してきました。2019年10月に移動体通信事業者(MNO)としてサービスを開始し、2020年4月には4Gの携帯キャリアサービスを本格的に始動させました。

今回発表された1,000万回線には、「Rakuten最強プラン」や「Rakuten最強U-NEXT」、法人向けプラン、固定回線サービスの「Rakuten Turbo」、さらにMVNOおよびMVNE回線も含まれています。内訳を見ると、BCP回線を除くMNO、MVNOおよびMVNEを合わせた契約回線数は991万回線、MNO契約回線数(BCP、MVNOおよびMVNE除く)は914万回線となっています。

SNSキャンペーン「1,000万回線突破記念!年末年始 運試し」
1,000万回線突破を記念して、楽天モバイルは複数のキャンペーンを展開します。楽天モバイル公式Xアカウントをフォローし、対象投稿をリポストした参加者の中から抽選で、楽天モバイルオリジナルだるま、純金製SIMカードのレプリカ、楽天ポイントなどが贈呈されます。年末年始のタイミングに合わせた遊び心のある企画となっています。

店舗キャンペーン「1,000万回線記念 楽天モバイルショップでお見積もり&エントリーで1,000万ポイント山分け!」
全国の楽天モバイルショップで見積もりを受けてエントリーした方を対象に、総額1,000万ポイントを山分けするキャンペーンが実施されます。一人あたりの上限は100ポイントで、期間限定ポイントとして2026年3月末ごろに還元される予定です。

また、2026年1月15日からは各店舗で1,000万回線突破を記念した限定デザインのお買いものパンダステッカーが配布されます。

楽天モバイルの革新的な歩み
楽天モバイルの成長を振り返ると、いくつかの重要な節目が見えてきます。

2019年2月には完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークの実証実験に成功し、従来の通信インフラとは一線を画す技術基盤を確立しました。2020年9月には5Gの商用サービスを開始し、次世代通信への対応も早期に実現しています。

2022年2月には楽天回線エリアの4G人口カバー率96%に、当初計画より約4年前倒しで到達しました。これは総務省から認定を受けた開設計画において2026年3月末を予定していた目標を大幅に上回る速さでの達成でした。

2023年6月には高速データ通信が無制限の新プラン「Rakuten最強プラン」の提供を開始し、2024年6月にはいわゆる”プラチナバンド”である700MHz帯での商用サービスを開始するなど、サービスの質的向上にも注力してきました。

最近では2025年10月に「Rakuten最強U-NEXT」の提供を開始し、通信サービスとエンターテインメントを融合させた新たな価値提案も行っています。

三木谷会長のコメント
楽天モバイル代表取締役会長の三木谷浩史氏は、今回の1,000万回線突破について「お客様一人ひとりのご支援、そして楽天モバイルに携わってくださった企業様のご協力があってこそ」と感謝の意を表明しています。

また、「この1,000万回線突破を新たなスタートラインとし、これからもお客様の生活を豊かにする、より快適で便利なサービスの提供に尽力してまいります」と述べ、今後もさらなるサービス向上に取り組む姿勢を示しています。

私見と考察:第四の携帯キャリアとしての意義

楽天モバイルの1,000万回線突破は、日本の通信業界において非常に象徴的な出来事だと言えます。約5年8カ月という期間での達成は、既存の大手キャリアが長年築いてきた市場に新規参入した企業としては、決して容易ではない道のりだったはずです。日本の携帯電話市場は長らく三大キャリア体制が続いてきました。楽天モバイルの参入は、この構造に風穴を開ける挑戦でした。「携帯市場の民主化」というビジョンは単なるスローガンではなく、実際に料金プランの低価格化や無制限プランの提供など、市場全体に影響を与える変化をもたらしてきたと考えられます。

1,000万回線という数字は、楽天モバイルが単なるニッチプレイヤーではなく、一定の市場シェアを持つ存在になったことを示しています。日本の総人口や世帯数を考えると、まだまだ成長の余地はありますが、確実に第四のキャリアとしての地位を確立しつつあると評価できます。

技術革新への挑戦
楽天モバイルの特徴的な点は、完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークという新しい技術基盤を採用したことです。従来の通信事業者が使用してきた専用ハードウェアベースのインフラではなく、仮想化技術とクラウド技術を活用することで、より柔軟で拡張性の高いネットワークを構築しました。

この技術的アプローチは、初期投資の抑制や運用の効率化につながる一方で、サービス開始当初はエリアカバレッジの課題など、いくつかの困難にも直面しました。それでも4G人口カバー率96%を当初計画より4年前倒しで達成し、2024年にはプラチナバンドの運用も開始したことで、ネットワーク品質の向上が着実に進んでいることがうかがえます。

ビジネスモデルの多様化
注目すべき点として、楽天モバイルは単なる個人向けモバイル通信サービスだけでなく、法人向けプランや固定回線サービス「Rakuten Turbo」、さらにはMVNO・MVNE事業まで展開していることが挙げられます。この多角的なアプローチは、収益源の多様化とリスク分散の観点から重要です。

また、「Rakuten最強U-NEXT」のように動画配信サービスと通信サービスを組み合わせた提案は、楽天グループのエコシステムを活かした戦略と言えます。通信サービスを入り口として、ECや金融、エンターテインメントなど他のサービスへ顧客を誘導し、グループ全体での顧客生涯価値を高めるという考え方が背景にあると推察されます。

残された課題と今後の展望
1,000万回線という数字は確かに大きな節目ですが、楽天モバイルにはまだいくつかの課題が残されていると考えられます。

まず、収益性の確保です。通信インフラの構築には莫大な投資が必要であり、価格競争力のあるプランを提供しながら利益を確保するバランスは決して容易ではありません。今後、契約者数の増加とともにネットワークの効率化や規模の経済が働くことで、収益性が改善していくことが期待されます。

次に、既存大手キャリアとの競争激化です。楽天モバイルの参入により市場環境が変化し、大手キャリアも低価格プランを導入するなど対抗策を打ち出しています。差別化要素を維持しながら顧客を獲得し続けることが求められます。

また、ネットワーク品質のさらなる向上も重要です。プラチナバンドの導入により屋内や地下での接続性は改善されていると思われますが、全国津々浦々で安定したサービスを提供できるかどうかは、長期的な顧客満足度と定着率に大きく影響します。

通信業界への波及効果
楽天モバイルの1,000万回線突破は、日本の通信業界全体にとっても意味のある出来事です。新規参入者の存在が市場に競争をもたらし、料金の適正化やサービスの多様化につながってきました。消費者にとっては選択肢が増え、より自分に合ったプランを選べるようになったことは大きなメリットです。

今後、楽天モバイルがさらに成長し、市場シェアを拡大していくのか、それとも一定の規模で安定するのかは、日本の通信市場の将来を占う上で注目されるポイントです。いずれにせよ、第四のキャリアとしての存在感を示し続けることで、市場全体の活性化に貢献することが期待されます。

楽天モバイルの1,000万回線突破は、単なる数字の達成以上の意味を持っています。それは、既存の市場構造に挑戦し、技術革新を追求し、顧客本位のサービスを提供してきた結果の表れです。三木谷会長が述べたように、これは新たなスタートラインに過ぎません。

今後、楽天モバイルがどのように進化し、日本の通信業界にどのような影響を与えていくのか、引き続き注視していく価値があると思います。技術の進歩、市場環境の変化、顧客ニーズの多様化など、通信業界を取り巻く環境は絶えず変化しています。その中で楽天モバイルが「携帯市場の民主化」というビジョンをどこまで実現できるのか、そしてさらなる成長を遂げられるのか、今後の展開に期待したいところです。​​​​​​​​​

楽天モバイル、契約数が1,000万回線を突破
https://corp.mobile.rakuten.co.jp/news/press/2025/1225_01/

楽天モバイル、契約数が1,000万回線を突破 | プレスリリース | 楽天モバイル株式会社 楽天モバイル株式会社(以下「楽天モバイル」)は、2025年12月25日(木)を以て、契約数が1,000万回線を突破したことをお知らせします(注1)。お客様やパートナー企業様をはじめとする多くのご支援により、2020年4月のサービス本格開始から5年8カ月で1,000万回線に到達しました。併せて、日々のご愛顧への感謝を込め、公式SNSおよび全国の「楽天モバイル…corp.mobile.rakuten.co.jp

「楽天モバイル」1,000万回線突破記念ページ(各種キャンペーン詳細含む)
https://network.mobile.rakuten.co.jp/feature/why-rakuten-mobile/ten-million/

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