天下布武、電波あり。織田信長、楽天モバイルと契約するの巻(第10回/全10回)

第十章 夜明けの天守閣

夜が明けた。勝家がスマホをいじりながら天守閣に上がってきた。
「信長様。楽天のKドリームスとか楽天競馬とか、やばいですね。一日中レースやってますよ」
「それより勝家。無事なのか?」
「はい。上杉は強かったですが、がんばりました」
勝家の兜を見ると、矢が突き刺さって頭を貫通している。それでも何食わぬ顔でスマホをいじる勝家に鳥肌が立った。奴こそ第六天魔王かもしれぬ。次に光秀が天守閣に上がってきた。鎧に埃はついておるが、怪我はない。
「山県を抑えたのは見事だ。援軍の回し方も速かった」
「もったいなきお言葉です」
光秀はしばらく黙った。それから、少し困ったような顔で言った。
「信長様は、合戦中も妙に落ち着いておられましたな」
「電波が8本あったからな」
「それが理由ですか」
「繋がっておれば、何とかなる気がした」
ふと、余は気づいた。スマホを駆使して戦局をしのいだのは良いが、ずーっとスマホを使い続けてしまった。通信料金はどれくらいになったのだろうか。余は身震いした。
「光秀」
「はい」
「余、昨夜どれだけ電話した」
「存じません。ただ、通信量は3278円の範囲内です」
「・・・なに?む、無制限とは、そういうことか!」
「はい」
「楽天最強プラン!」
「はい」
「天下布武!」
「はい」
「光秀も叫べ!」
「第六天魔王信長だーい」
「やる気が足りぬ」
「合戦明けなので」
「ギャフン!」
城下から子どもたちの声がした。
「信長だーい!」
余は笑った。光秀も、昨夜より少し遠慮なく笑った。電波は依然8本。落ちない。繋がったままだ。

終章 是非に及ばず、されど電波あり

翌朝、余は光秀を呼んだ。
「光秀」
「はい」
「このたびは色々あったがご苦労であった」
「信長様がこれほどまでに進化を遂げるとは思っておりませんでした」
「ほう?」
「ショッピングモールでわめき散らしていた時、私の怒りは蓄積し続けて、頂点に達していました。こんなITリテラシーのない老いぼれに未来なんかあるはずがない。いっそのこと本能寺で裏切って焼き討ちしてしまえ。そう思った時もありました。しかし信長様は、楽天モバイルを使って戦に勝ちました。私のSPUの手柄など信長様の壮大な構想の仕掛けの1つにすぎません。私の怒りの蓄積は、いつしか楽天ポイントの蓄積に変わり、喜びの蓄積に変わりました。これからもよろしくお願いします」
余は満足げにうなずき、スマホを掲げた。
「天下布武!楽天最強プラン!そして」
光秀が半歩前に出て、笑顔で続けた。
「第六天魔王信長だーい!」
城下から子どもたちが
「信長だーい!」
と返した。余は笑った。光秀も笑った。

光秀はその後、楽天でんきにも登録した。倍率が1つ上がったと、報告書の末尾にひっそりと書いてあった。余の請求は来月から3168円になる。光秀が余に最強家族割を勧めたのだ。濃姫に楽天モバイルに加入してもらい、さらに110円安くなった。来月は楽天モバイルから赤備えの兵が来る予定だ。安土城の天守閣にアンテナ立てたら絶対電波通るもんね。

ともあれ。余、織田信長。高い料金と弱い電波を討ち、楽天モバイルに乗り換え、武田・上杉・毛利の三方連合軍を退け、光秀のSPU15倍に救われ、ついでに光秀と仲直りした。最後、奴はとんでもないことを言っておったが、通信は安定し、請求は安く、ポイントは城を救い、主従関係もどうにか持ち直した。これにて一件落着である。

是非に及ばず。いや、今回は是非があったのか?だが最終的に丸く収まったので、まあよし。そして今日も安土城の天守閣には、電波が立つ。4本。ときどき5本。最高10本。合戦があっても落ちぬ。光秀のポイントもまだ残っている。なかなかよい世である。

モバイル群雄割拠を生き抜く光秀メモ

ご愛読ありがとうございました。楽天モバイルの最強家族割はオススメです。書類提出は必要ないのでぜひご家族皆さんで加入してください。

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