10月3日
たまたま起きて、日の出を眺める。そしてまた寝る。
いい天気。唐戸市場に行ったが、大混雑。外は暑い、と妻が嫌がるので「カンモンワーフ」にある回転寿司屋「すし遊館」に入る。値段は多少張るが、東京のチェーン店の回転寿司よりは段違いに美味しい。チェーン店の回転寿司も値上がりしてるので、お得な気分になれた。マグロ、納豆、イカ、フグの唐揚げ、トロロが乗ったウナギ、穴子の唐揚げなど食べる。
「カンモンワーフ」の一角にあるアイスクリーム屋で「海」という名のアイスクリームを食べる。色は水色で見た目は爽やかだったが、味は普通のバニラで、特に感動はなかった。
猿回しに遭遇。子猿が頑張ってジャンプしているのが可愛い。芸が終わり、見ていた子供たちが10円玉をあげていたりするのを見て心苦しくなり、そっと折り畳んだ札で3000円払う。
観覧車に乗る。青空の下で色とりどりのゴンドラがゆっくりと回る。それを眺めるだけで気分が良くなる。ずっと向こうの海が見えた。のどかなひと時だった。妻は観覧車に乗ったこと自体を後日、全く覚えていなかった。
この日は東京でも雨が観測されず、8月27日から続いていた連続降水日数は37日で止まった。1886年の統計開始以降で過去最長を更新していた。秋雨前線の停滞や台風の接近などの影響のようだった。
ホテルでタクシーを呼んでもらい下関駅へ。下関駅から在来線で小倉駅へ。小倉には、なにもない。コメダ珈琲店で時間をつぶす。時間は簡単につぶせた。たまごサンドはたっぷりの量で美味しかった。
新幹線で小倉駅から東京へ。小倉駅から18:19発、22:57に東京着。
小倉駅のコンビニで妻が「トラキチ君マンハッタン」を買う。バナナ風味チョコとチョコレートでコーティングしたドーナツ。よく九州にいた時にマンハッタンを食べていたらしい。1974年に発売された超ロングセラー。東京では見かけない。普通のマンハッタンを探したが残念ながらなかった。新幹線に乗り、甘いのでお互い一口ずつ食べてそのまま残す。
通路を挟んで隣の座席の後方にある荷物置き場から、キャリーバッグが転がってきて、いきなり私のテーブルに激突し、ペットボトルのお茶(キャップを締めてたのでこぼれず良かった)とトラキチ君マンハッタンが地面に落ちる。キャリーバッグの持ち主の女性からはお詫びの一言もなかった。お互い様なので、特に怒りはない。私のキャリーバッグも車輪止めがないが、妻の車輪止め付きのキャリーバッグを通路側に置くことで飛び出ることはない。今から東京に戻るので、そのくらいの不親切な世界に行くのだと、旅行でふんわりとリラックスしていた気持ちが、おかげさまで静まった。素晴らしいリハビリだ。その客は後ろの場所には置かずに自分の席の手前にバッグを置いて、名古屋駅で降りた。車窓を見ても真っ暗で何も見えず、読書が捗る。広島に着く頃に「世界終末戦争」の上巻を読み終わり、すぐに下巻に移行する。理想や思想と本能のせめぎ合い。どちらにも正義はない。他者の否定、理解の不在。本人たちも気付かぬままに、のたうち回るように生きて、長い苦難の末に、虫ケラのような死が唐突に訪れる。世界は不親切で、血も涙もない。
この日は10823歩。1時半に横になる。疲れるために休日を取り、疲労だけが残るという状態に、毎回陥る。全ての宿泊を同じホテルにすれば移動や荷造りや初めて訪れる土地ならではの徒労は防げる。しかし、それでは退屈になる。同じホテルは、せいぜい三泊だ。次は同じホテルに三泊して帰ろう。妻は散々疲れているが、早くも今度は北関東に行きたいようだ。群馬か那須。それか、熱海にも行きたいようだ。前回、三年前くらいに初めて行った熱海をいたく気に入ったらしい。熱海で妻が最も楽しそうにしていたのは、コンビニの屋上のベンチに座って海を眺めていた時だ。そういう素朴な楽しさを見つける視点は素晴らしいと思う。どこかに来年行こう。
今回の休みで、おかげさまで心は少し安定した。それは手応えとしてわかる。写真、読書、小説。10月5日から12月まではなんとか働けそうだ。もう年なのだから無理はしないで働こう。年末も有休をたくさん取ろう。それで、ちょうどいいのかもしれない。
ただ、ものすごく腰は痛い。



























